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”ひと読み惚れ”した小説『あかね空』

久しぶりに本を一気読みしました。約400ページ、6時間ほどかかりました。読み進めるほどに引き込まれ、読み終わるまで閉じることができませんでした。読んだのは、文春文庫の『あかね空』。。。山本一力(やまもと いちりき)さんの長編時代小説です。

 

あかね空 (文春文庫)

 

舞台は江戸の深川。物語は、宝暦12年の8月から始まります。京から江戸へ豆腐職人の若き栄吉がやってきました。栄吉は小さな店を持ち、江戸の豆腐とは質や味が全くが違う京豆腐を売ろうと苦心します。そんな栄吉を支えてくれるのが、同じ長屋に暮らす桶屋の娘おふみ。やがて、ふたりは夫婦になります。

 

京豆腐の味と値打ちを理解する人、営業妨害をもくろむ商売敵など、登場人物はどんどん増えて栄吉、おふみ夫婦の人生に絡みます。努力は報われ不思議な縁に支えられ、栄吉は表通りに店を設けます。順風満帆な人生が開けるのかと思えるのですが、そうではありません。ふたりは三人の子に恵まれたものの、しあわせな暮らしを重ねていくことができません。相次ぐ不幸な出来事によって家族の形は、もろくも傷つき少しずついびつになって行くのです……。

 

抗うことのできない人生の悲しみやせつなさ。大切な人を失う痛み。見えぬ縁の美しさと温かさ。夫婦とは、親子とは、兄弟とは……。様々な関係の間で生じてまうすれ違いや誤解。前を向いて生きることの難しさ。そして失った後に見える真実……などなど。考えさせられること感じ入ることが数多と、ちりばめられている小説でした。

 

そして人情に厚い江戸っ子魂をもつ人物たちが魅力的に描かれています。小説全体の構成もすばらしく、ところどころに織り込まれた伏線が、感動的なラストに繋がって胸を熱くします。

 

第126回直木賞を受賞している『あかね空』は、10年以上も前に出版されている書籍なので、ご存知の方も多いかと思います。だけど、もし、まだ手にしたことがなかったら、是非にも読んでみて下さいね。時代小説ですが、とても読みやすい文体です。カッコいい江戸弁にもしびれます。そして、小説の中のあたたかな人情に感化されて心が深くなるのではと思います……。

 

わたしは、この作品で山本一力さんを知ったのですが、ひと目惚れ…いえ、ひと読み惚れをしました。読みたい本は沢山あるのですが、当分は山本一力さんの著書を手にすることが増えそうです。次はどれを読もうかと、とても楽しみです。

ご訪問ありがとうございました。。。♪