Pagoの部屋

ようこそPagoの部屋へ。管理人は、とっくに3人の子育てを終えたアラフィフ主婦です。大好きな絵本や食べること、そして心に沁みたことなどを記事にして綴っています。

少しずつ春めいてきましたね。寒い冬を耐え忍んだ雀たちが、のどかに道端で何かをついばんでいるのを見て「頑張ったねぇ」と、声をかけてしまいました。誰にも聞こえないように、ですよ。

 

わたしが小学校の2年生だったとき、巣から落ちた雀の雛を育てたことがあります。今なら絶対に無理ですが、あちこちの土を掘り起こし雛のエサにするミミズを集めたりもしました。そのあたりは、思い出してもゾッとします…。

 

日ごと愛着がうつり可愛くなってくる雀の雛ですが、どんな名前を付けたのかは、まるで覚えていません。学校から戻ると宿題をすませてから(母が怒るので)ミミズを探しに行きました。わたしにとって雛の成長は、毎日の楽しみでした。

 

そんな日々が続いたある日、学校から帰ると雀の雛は目を閉じて冷たくなっていました。朝、学校へ行く前は元気でした。何がなんだかわからずに、ただただ号泣しました。母と一緒に雛のお墓をつくったあとも、ひたすら、しくしく泣き続けました。

 

その日、めずらしく父が、お土産をもって仕事から帰ってきました。本屋さんの紙袋です。ところが、せっかく本を買ってきたというのに娘は、「やったぁ、本だぁ」とか「わーい、わーい」と喜びません。おやおやっ?……父は、へんに思ったことでしょう。

 

だけど母にしてみれば、食いしん坊の娘が夕食も食べられずに泣いていたので、いいタイミングだと思ったのでしょうね。娘であるわたしは、とても本が好きでしたから。「よかったね」とか「どんな本かな」みたいな(覚えていませんが)声をかけてくれて、父の差し出している紙袋を「さ、開けてみよう」の雰囲気になったんです。

 

 

で、うながされるままに、紙袋から本を取りだしたのですが……。

 

わたしは、再び号泣することになりました。

 

本は、鳥の図鑑でした。数羽のつばめの雛たちがそろって口を開け、親鳥から餌をもらっている写真が表紙でした。わたしの事情を知らない父は、さぞ驚いたことと思います。母は、お土産の本がいいタイミングにならず、娘の悲しみをぶりかえすことになるなんて、タイミングの悪さに顔をしかめたことでしょう。

 

嘘みたいなホントの話です。

 

巣から落ちた雀の雛と出会ったのは、その一度きり。今では、雀を見かけることも少なくなりました。それでも冬、たまに雀を見かけると、寒さをしのげる寝床はどこにあるんだろうと思ったことが何度かあります。むかし話の『舌切り雀』の正直爺さんのセリフみたいですが「雀のお宿はどこだ?」です。

 

もしも、この先も、どこかで巣から落ちた雀の雛と出会うことがあったなら、やっぱり連れて帰るだろうなと思います。もちろんスコップを握りしめミミズを探しに行くことはしません。今時、ミミズじたい簡単に見つからないでしょうが、想像もしたくありません。迷わずペットショップに走ります。絶対に…。

 

※3月21日(水曜日)追記

 

『鳥獣保護管理法』により、巣から落ちた雀の雛やケガをした野鳥を保護し飼育することは、違法とされています。なので、今後、わたしが巣から落ちた雀の雛と出会っても、保護したり飼育することはできません。。。