Pagoの部屋

ようこそPagoの部屋へ。管理人は、とっくに3人の子育てを終えたアラフィフ主婦です。大好きな絵本や食べること、そして心に沁みたことなどを記事にして綴っています。

カラス愛にめばえたかも。。。?

スズメやツバメは可愛いと思えるけれど、カラスは「う~ん、カラスねぇ」と、眉をよせてしまう鳥でした。だけど『カラスの教科書』という本を読み、カラスの印象がガラリとかわりました。

 

「へぇ~、カラスって、なかなか可愛いやん!!!」

 

と、褒めてみれば、

 

「ふん、今頃、気づいたんかい!」

 

とカラスの声が、どこからとなく聞こえてくる……。

この本を読めば、そんな不思議現象が起こるかもしれません。。。

カラスの教科書 (講談社文庫)

著者は、気鋭の動物行動学者松原始(まつばら はじめ)さん。1969年奈良県生まれ。京都大学理学部卒業。同大学院理学研究科博士課程修了。京都大学理学博士。東京大学総合研究博物館勤務。研究テーマはカラスの生態、行動と進化です。

 

植木ななせさんのイラストで飾られた表紙をめくった2ページ目に「本書について」と題して、松原さんの前置きがあります。

 

 この本は「カラスの教科書」である。自ら教科書を名乗るとはおこがましいが、たとえば自治体の担当者の方が「カラスの苦情多いんだよなー、ちょっと参考資料でも見るか」と手にとられても、一応、お役に立つであろう。

 しかし、それにしてもカラス成分が高めである。それはカラス好きな人、カラスに興味を持っておられる人に「あー、そういうのあるある」「へー、こんなのあるんだー」と楽しんで読んで頂きたいと思ったからだ。つまり、カラスの強化書でもあるのだ。

 そして「カラスってなんか怖い」「カラスばなんか嫌いだ!」という方。お嫌いであれば仕方がないが、時には食わず嫌いという事もあるかもしれない。ちょっとお試しになって、カラスも実はカワイイかも? と思って頂ければ、カラス好きとしてはこれほど嬉しいことはない。なんなら、そのまま深みにはまって頂いても一向に構わない。実はカラスの教化である、かもしれない。

 そして……これはカラス好きが好き勝手なことを書き連ねた、戯れ歌のようなものでもある。だから、本当はカラスの狂歌書と書くのが一番正しい。

 前置きから、ユーモアと洒落がきいてるこの文章に、クスッと笑ってしまったわたしは、そうかそうか食わず嫌いなのかもしれないと考えて「ちょっとお試し」してみようと『カラスの教科書』を読み始めたのです。

 

本書の内容は、カラスの生態や行動や特徴について書かれているのですが、とにかく今まで読んだことのない生物の研究書(観察記録)でした。ウィットに富んだ表現と文体で、まるでマンガを読んでいるかのように楽しめたのです。たとえば、カラスのペアの熱愛を「イチャついてる」と表現し、バカップルぶりを学者さんらしからぬ文章で描いてあるのです(いい意味で)。観察した様子を松原さん視線でカラス語を日本語に変換しているのですが、これがホント面白い!!!

 

まあ、説明するより体験していただくほうが早いので、ほんの一部ですが、ちょっと読んでみて下さい。

2羽で並んで止まると「つつつ」とにじり寄って「ぴとっ」と寄り添い、雄が「はい」と頭を差し出すと雌がかいがいしく羽づくろいしてくれ、今度は「じゃあお返し(はあと)」と雄の首あたりを羽づくろいし……と何分でもやっているのは日常茶飯事。京都で見かけたハシブトガラスの雄はサクラの実を「はい」と雌に差し出し、雌は実をくちばしの先でくわえたまま「やっぱりあげる」と雄に返し、雄がそれを食べたかと思いきや手品のようにヒョイとくちばしの先にもどし、「やっぱり頂戴」と雌がこれを分捕ると「俺にもくれ」とそれを取り返し、実に5回にわたってサクランボの口移しをしていた。お前らええかげんにせえ。

                 『カラスの教科書』p70より

 

いかがでしょうか? 著者の松原さんが前置きの最後に「狂歌書と書くのが一番正しい」と、締めくくっていますが、その通りだなと思いませんか?

 

 もちろん学術的に、まじめに書いてある部分もたくさんあります。だけど、もしカラスの研究や観察記録だけであったなら、わたしは数ページで挫折していたと思います。そもそもカラスに興味もなければ、好きでもなかったのですから。

 

そして、本書のあちこちでジョークをとばしたり、あふれるほどのユーモアを織り込んでいることに、松原さんのカラス愛を深く深く感じました。そう、読み終えるころには、わたしにカラス愛が伝播しており、表紙をめくってすぐの2ページ目で「食わず嫌い」かもしれないよなんて……ああ、うまく誘導されたなと感心したりもしたのです。

 

もくじをのぞくだけでも、「読んでみようかな」の気分になるのではないでしょうか。今、この記事に訪問下さっている方を、わたしが落ちた罠にひきずりこんで、カラス好き仲間を増やしてみようかな。なんて目論みながら、第一章のもくじを紹介させてもらいます。。。冗談です。もくじも面白かったので、書き写してみたかっただけです。

 

第一章 カラスの基礎知識

 

  • カラスという鳥はいません いや、いるんですけどね」
  • カラスの一生 昔は仲間とつるんでブイブイいわせたもんですが」
  • カラス君の家庭の事情 神田川とニートとちゃぶ台返し」
  • カラス的グルメ 私、マヨラーです」

 【カラスのつぶやき 1 カラスに負けた】

※ 「 」の中も実際のもくじに記述されています。【 】は、ちょっと一休みというのか、おまけコーナーみたいなページです。

 

《『カラスの教科書』は、第四章まであり》

 

以上、わたしが感じたもくじの楽しさも共感してもらえたなら嬉しいです。。。♪