Pagoの部屋

ようこそPagoの部屋へ。管理人は、とっくに3人の子育てを終えたアラフィフ主婦です。大好きな絵本や食べること、そして心に沁みたことなどを記事にして綴っています。

たまご屋さん

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わたしが7歳の頃に引っ越しをした家の近くに小さな養鶏場がありました。店を構えていたわけではありませんが、たまごの小売りもしていました。当時、わたしたち子どもは養鶏場なんて言葉を知らなかったので「たまご屋さん」と呼んでいました。

 

たまご屋さんは、いつも鶏たちがコッコ、コッコと騒がしく、ほこりっぽいような鶏のにおいと、餌である飼料のにおいがしていました。近所の子どもたちは、そんな鶏にあまり興味はないようでしたが、わたしはたまご屋さんが好きでした。

 

お使いに行くと、屋根の付いた庭のようなところでたまごを売ってくれました。バネばかりで籠にいれたたまごの重さをはかり、家から持って行ったざるに入れてくれるのです。たまごの入ったざるをしっかりかかえ落とさないように、たまごとたまごがぶつかりあわないように、そろりそろりと家までの道を歩きました。

 

ご近所さんだったし小さな養鶏場だったので、何度か鶏小屋の見学をさせてもらいました。たいがいはひとりで行きました。たびたび鶏を見たがるようなもの好きは、たぶんわたしくらいだったかもしれません。

 

わたしはすっかり鶏と顔見知りになった気でいたのです。一羽一羽の見分けがついているはずもないのに、どの子が産んだたまごかな…と買ったたまごのひとつひとつに思いを寄せたりしていたのです。

 

そんなたまご屋さんは、わたしが引っ越して間もない頃に火事で全焼してしまいました。多くの鶏が焼け死んで、たまご屋さんのおじさん、おばさんも養鶏場をたたんで、どこかへ行ってしまいました。

 

悲しかったし寂しかったと思うのですが、そのあたりはあまり憶えていません……。

 

もう、50年近く前のこと……。むかしむかしの話です。。。