フフフの麩

寝覚めの耳に小さく聞こえたのは、フフフの笑い声。そっと頭を動かせてみたら枕の端っこに、親指ほどの妖精がひざを抱えて座っていました。わたしと目が合うと、にっこり微笑んで、もう一度、フフフと笑いました。

 

誰にでも見える妖精ではありません。わたしにしか見えないフフフの妖精です。。。

 

って……たわごとです…。わたしにも見えません。。。^^;

 

「お弁当…何をいれようかな…」と考えながら布団の中でもぞもぞしていたら、「あ、生麩が食べたい」と、なぜか無性に生麩が食べたくなったのです。日ごろ朝ごはんは、ほとんど食べないので、おなかがすいていたわけではありません。生麩の夢を見たわけでもありません。

 

ただただ、……。生麩が食べたくなったのです。

 

うちの近所のスーパーマーケットは、生麩をおいていません。お正月前にだけ蒲鉾のコーナーに並ぶのですが。。。京都のスーパーマーケットでは、常においてある店が多いと聞くので、羨ましいです。食べたいときにすぐ食べられるなんて…。

 

生麩って、度々ではないけれど、ある日、と食べたくなることがあるんです。だけに…。

 

布団から抜け出して、珈琲を飲んでいる間も、…。フフフの笑い声が幻聴に……なってはいませんが、とにかく食べたいのです。スーパーに置いていないのなら、あとで買いに行っても無駄です。もう、作るしかありません。

 

お弁当のおかずをそっちのけで、生麩の材料を頭の中で確認しました。たいした材料はいりません。強力粉白玉粉だけでいいのです。材料はそろっていました。数えるほどですが作ったことがあります。レシピを開いて各材料の分量と作り方を復習しました。

 

はじめて自宅で生麩を作ったとき、幼少の頃の記憶がよみがえりました。四国で暮らす祖父母の家に帰省したときのことです。祖母が白い布袋に入った柔らかそうなものを蛇口の下で水を流しっぱなしにして、洗濯物のように揉み洗いをしていました。祖母が手を動かすたびに白い袋から、白い液体が流れ出していました。

 

覚えているのはそのシーンだけ。記憶の底ですっかり埃をかぶっていたのに、突如として理解したのです。おばあちゃん、何してるんだろう…とは思うものの口下手だったわたしは、自分からは話しかけられず何してるんだろう…で終わっていたのです。

 

あれは、生麩を作っていたんだと。自分で生麩を作らなかったら、たぶん思い出すことも理解することもなかったシーンの記憶です。生麩の作り方ですが、難しい技はいりません。強力粉に水を加え、よくこねた後、デンプンを水で洗い流して取りだしたグルテンに白玉粉を加えさらにこねます。それを茹でたり蒸したりするだけでいいのです。

 

必要なのは、こねる根気と洗う根気くらいです。。。(たいした根気でもありませんが)パン生地のようなやわらかな小麦粉のかたまりを、ボールの水を何度も変えながら洗います。真っ白なミルクのような水が、洗っても洗ってもあふれます。はじめて生麩を作ったあの日、祖母がやっていたのは、これだったんだと理解した嬉しさと、ちょっぴりノスタルジックな気分に包まれたのでした。

 

と、いうことで、今日の朝は、作り立ての生麩を八方だしにワサビを添えて食べました。夜は、味噌田楽にするか片栗粉をまぶして焼きつけて、にんにく醤油をかけるのもいいかなと思っています。食べることも楽しみですが、次回はヨモギ粉を取り寄せてヨモギの生麩を作ってみようかなと、それもまた楽しみだったりしています。

 

お弁当のおかずをそっちのけで…と書きましたが、ちゃんと作りましたよ。まあ生麩作りに手を取られていた分、とてもちょっと手抜きになりましたけど…フフフと笑ってごまかしました。。。♫

 

 

ご訪問ありがとうございました。。。♪