2・▶アトレーユの使命◀『はてしない物語』より

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はじめに

 前回の記事は、ファンタージエン国の女王幼ごころの君が、原因不明の病に臥せっているところで終わりました。今回は、その続きです。そして、この記事より『はてしない物語を読んでいるバスチアンのことも、少しづつ書いていこうと思います。

 

まず、この章『アトレーユの使命』に登場する主なキャラクターを紹介します。

 

カイロン……ケンタウロスと呼ばれた種族のもの。腰までは人間の姿、その下は馬の体をしている。はるか南の遠い地方出身の黒ケンタウロス。黒檀色の肌で頭の髪とひげは白くちぢれている。ファンタージエン国で最も有能な医師。

アトレーユ……狩猟の民。緑の肌族(漆黒の髪にオリーブ色の肌)の少年。年齢は、10歳くらいで親兄弟はいない。上半身は、はだかで肩に床まで届く緋色のマントを羽織っている。漆黒の長い髪は後ろで束ね、額と頬に白で飾り模様を描いている。

アルタクス……アトレーユの愛馬。ぶちで野生馬のように小柄。ずんぐりと短い脚をしているが駆けるのは早く耐久力に優れている。

 

扉絵のイラストは、カイロンアトレーユです。

 

あらすじ

エルフェンバインの塔に国中から集まった499人の名医は、みな幼ごころの君を診察して、それぞれに秘術をつくしました。けれど原因も治療方法も、全く分かりませんでした。手をこまねく499人の名医たちは大広間で、500人目の医師の診察が終わるのを待っていました。

 

この500人目の医師は、名をカイロンといい国中に名をとどろをかせている名医中の名医でした。しかし、このカイロンですら幼ごころの君の病気になす術もない状態でした。わかっているのは、ファンタージエン国虚無の浸食が始まったのと、女王が病に臥せったのは、時が同じだった…というこどだけでした。

 

カイロンは、女王幼ごころの君から、選ばれし勇士に届ける任命をあずかって大広間に現れました。任命は、ファンタージエン国を救う知恵を国を旅して探し出すようとの内容です。

 

選ばれし勇士の名まえはアトレーユエルフェンバインの塔から、はるか遠く離れた、しろがね山脈の向こうの草海原に住んでいました。カイロンは、王女からの任命と王女から預かったアウリン(*1)を届けるためにエルフェンバインの塔をあとにします。

 

*1・アウリン……首にかける鎖のついた金のお守り。お守りの表面には、明と暗の二匹の蛇がたがいに相手の尾を咬み、楕円につながっているデザインが施されている。アウリンを託された者は、女王幼ごころの君の名において、あたかも女王自身がそこにいるかのようにふるまえる。また、それを持つものに不思議な力を与えるといわれているが、どんな力なのかは、まだ誰もわからない。

 

カイロンが草海原に到着したとき、草海原は、まだ虚無に侵食されていませんでした。また、アトレーユをはじめ住民たちは、幼ごころの君が病に臥せっていることも知りませんでした。

 

カイロンから状況を聞いたアトレーユは、女王からの任命を受けます。そして、お守りのアウリンを首にさげて、愛馬アルタクスとともに、行く先もわからない探索の旅に出るのです。

 

 アトレーユをのせた愛馬アルタクスが駆けだした時を同じくして、遠く離れた真っ暗な夜の荒れ野であることが、起こっていました。凝集した暗黒の闇が、恐ろしい姿と化したのです。その恐ろしき姿の暗きものは、しばらくのあいだ鼻をつきあげ空気中のにおいをかいでいましたが……。

 

突然、探しているにおいを嗅ぎあてたらしく、うなり声をあげたあと、においの方角へと音もなく走りだしました。

 

少年バスチアン

序章でバスチアンを紹介したときに、

 

バスチアンとお父さんの間には、いまひとつ心を通い合わせられない壁があるようです……」

 

と書きました。その理由がこの章でわかります。妻を亡くしたバスチアンのお父さんは、哀しみにとらわれてしまって、息子であるバスチアンのことが見えなくなっているのです。

 

お父さんは、バスチアンに欲しいものは何でも買ってくれるのですが、以前のように一緒にふざけることも会話をすることもなくなっていました。そんな寂しさもあってバスチアンは、親兄弟のいない年頃も同じアトレーユに、自分と共通するものを感じはじめました。

 

こうして、もともと冒険物語が好きだったバスチアンは、この先も、どんどんと物語にのめりこんでいきます。

物語と現実世界の書き分け

序章の記事で、『はてしない物語』は、本の世界と現実の世界が交差している物語であると説明しました。けれど、分かりづらかったかと思います。なので、わたしが持っている本を開いて写真を撮り記事にのせてみました。

 

灰緑色の文字がファンタージエン国のストーリーで、バスチアンが読んでいる本『はてしない物語』そのものです。本を読んでいるバスチアン自身のことが、赤茶色の文字で書かれています。

 

すみません。。。うまく写真が撮れなかったので、文字の色の違いが分かりづらいですね。だいたい、こんな感じなのかと掴んでいただければ…いいのですが。

 

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おわりに

次回は、第3章『太古の媼(たいこのおうな)モーラ』です。さて、アトレーユの行く先には何が待ちうけているのでしょう。そして、暗黒の闇から生まれた暗きものの正体とは。。。?

 

 

ご訪問ありがとうございました。。。♪